おれにはコレがある。(試験勉強法)/今昔物語4

7回もの試験を乗り切るために――

 昭和終盤から平成はじめ、中学・高校を問わずに、定期試験は年7回も行われていた。高校3年に至っては、2学期終了までに7回という、とてつもないハイペースだった。
 こうした試験を乗り切るには、もちろん勉強するしかない。その勉強法は人それぞれだが、大切なのは、伝統と友情とテクノロジーを最大限に利用することだろう。
 伝統=過去問題。友情=ノートを借りる。テクノロジー=複写機利用。三種の神器を駆使して、多くの男子たちが明治大学の門を目指した。

独自の勉強法の顛末はいかに?

 これら三種の神器に頼らず、独自の勉強法で戦いに挑むものも珍しくはなかった。
 自らの武器(ノート)と実力でのみ勝負するのは男の中の男で、尊敬と友情を集めたのは言うまでもない。
 一方で、さらなる勇者は、コペルニクス的転回により、マンガ誌の巻末に掲載されていた「睡眠学習機」や「Dr.キャッポー」なる、近未来マシンに挑戦した。その効果たるや、目を見張るものがあったが、敢えて詳しくは説明しない。
 最強の勇者は、機械に頼らない「睡眠学習」に挑戦。その結果は、想像に難くないだろう。

今でも活躍中! 三種の神器

 もちろん今の時代も、三種の神器は健在だ。試験が近づくと、調布駅前のコンビニのコピー機には多くの明中高生が集う。ただし、コピー機のある店が数軒なので、たいへんな盛況になるのが悩みだという。
 ちなみに、御茶ノ水には当時、「コピー屋」なるものも存在し、ノートのコピーに困ることはまったくなかった。
 一方、過去問題については、近年は先生の入れ替えが多かったために(とくに調布移転直後)、伝統という武器は失われつつあるという。
 いずれにしても、やはり最も大切なのは「友情」ということになるのかもしれない。


<コラム>

まだ売ってるぞ!ブルワーカー

 雑誌の巻末に掲載された、睡眠学習機以上に“興味深げ”な通販広告の巨頭と言えば、「ブルワーカー」の右に出るものはいないだろう。
 「まったく、カン、タン」に逞しくなり、モテモテになる夢を、何度見たことだろう。
 ちなみに、ブルワーカーは1964年の発売以来、全世界で900万本以上を販売。もちろん今でも絶賛販売中。あの王貞治選手も、このマシンで鍛えていた時代もあったとか!?

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